天童のお宝中古市場さんがある交差点を東側に2キロ程ズイズイと進むと現れます、創作お好み焼なかまっこさん。
自分の周りでは女子会やマダム会をゆっくりできるお店、子連れでもくつろげるお店として名前があがりますが、皆さんはご存知でしょうか?
ちょっと奥に入ってるしな・・とか、1人じゃ行きづらい、男だけじゃ行きづらいなど思われている方も多いんですかね。でも街から離れているからこその心休まる空間が魅力的なんです。ちなみに自分が初めて行ったときは、男1人で行ってチーズもちっこ焼と古代米アイスクリーム堪能しました笑。
今回はなかまっこさんにインタビューした内容も交えて、お店紹介です!
お好み焼との出会いはヒッチハイクと寺巡り?
なかまっこのマスターと若女将
なかまっこさんはマスターと女将さん、娘の若女将の家族でやっているお店です。アットホームな雰囲気が温かく何とも言えない居心地の良さです。
斉藤「マスター、今日はよろしくお願いします。お店を始められたきっかけから伺ってよろしいですか?」
マスター「27歳くらいから洋食屋さんで働き始ましてね」
斉藤「なるほど、初めは洋食屋さんで」
マスター「ただ遅いのよ27歳じゃ、お店に入るの。嫌ではないけど先輩はみんな自分より年下だからね。やるからには自分のお店持ちたいとは思っていたから、開業を考えて」
斉藤「それでお好み焼屋さんを?」
マスター「お好み焼との出会いは学生の時だね。全国の寺巡り旅をして、仏像とか石仏を写生するのが趣味で。金がないから全部ヒッチハイクしてさ」
斉藤「ヒッチハイクで寺巡りですか!?自分ヒッチハイクなんかしたことないですよ」
マスター「学生の時は東京にいたんだけど、築地の魚河岸とか秋葉原の青果市場には全国から車が来るんですよ。それで帰り車ってのがあってね。仕入れた後に地元まで帰らないといけないと。車のナンバー見ると帰る場所が検討つくわけ」
荷降ろし手伝いますから乗せてってくれませんか?と声をかけると5、6台に1台くらい、んじゃいいよ乗ってけって言ってくれたそうです。行くときはいいが帰るときは帰り車で一気に移動とはいかないので、地道に一般の方にお願いしてちょっとずつ乗り継いで帰ることになり大変だったそうです。ずいぶんとヒッチハイクにお世話になったということで、今ヒッチハイカーを見つけたら恩返しの意味で乗せてあげたいと思うけれど、やってる人に全然巡り会えないらしい笑
マスター「それでお寺の門前にはおばちゃんがやってるお好み焼屋さんが結構あるのよ。大きいお寺さんだとほとんどあるかな。そこで食べるお好み焼と一本のビール、これがスゲー旨いのよ!異様に旨い笑。ヒッチハイクしてるくらいだから金もないんだけど、安いし腹持ちもいいからさ。それがお好み焼との出会いだね」
斉藤「門前のお好み屋さんかあ、マスターのお好み焼との出会い方なんかとても素敵ですね」
マスター「どんどん焼はあったけど、この辺にはなかったから、お好み焼のお店なんて。洋食屋に勤めている時もまとまった休みの時には大抵お好み焼屋を追っかけて東京、京都、大阪、神戸なんかに行ってね。焼き方と味を勉強してたね」
斉藤「自分でお店で食べて焼き方見て勉強して、自分のメニューを作ったということですか?」
マスター「そうそう。お好み焼屋をまわっていた時は1日に10件近く回ることもあったから。でも1枚全部は食べきれないから二切れくらい食べたら、おもちゃの携帯電話で急に仕事で呼び出されたフリして、呼ばれちゃったから大将残してごめん!って言って笑」
開店のために建物を建てている期間は、安いホテルに泊まりながら自転車でお好み焼屋をぐるぐる回り、大阪のお店をほぼ制覇したそうです。最初のメニューはオーソドックスなお好み焼だけだったそうですが、山形では珍しいお好み焼のお店は大繁盛。開店と同時に若女将の娘さんを授かったので、お店と子育てとで大変だったそうです笑
韓国風ねぎ焼(チャンジャ付)960円。マスターの焼き加減でねぎは「シャキ」を残しつつ「とろっ」で絶妙な甘味、コチュジャンが効いてピリッと辛いが旨味たっぷり、寒い季節におすすめのメニューです。
エビチリソースのお好み焼950円。お好み焼を割ると自家製のエビチリソースがとろり、ピリッと旨辛のお好み焼です。
家族で考えるメニューは愛着がありすぎて減らせない!
斉藤「若女将、最初はオーソドックスなメニューしかなかったんですよね?なかまっこさんは女性に人気がありそうなメニューやネーミングが面白いもの、季節限定のものなど様々ですがどのようにして生まれるんですか?」
若女将「メニューは家族みんなで、あーでもない、こーでもないと意見出しあって決めてますね」
斉藤「なるほど、家族会議が開かれるわけですね!」
マスター「焼きそばなんかはね、夫婦で香港に旅行に行った時に生まれたんですよ、それまではソース焼きそばだったんだけど」
若女将「XO醤とオイスターソースの味がすっごくおいしくて、これをうちでも出したいってなって。自家製のXO醤作ってるんですよ」
斉藤「えっ?XO醤を作ってるんですか?」
マスター「XO醤は高かったりするからね、色々とやってみたらうまく作れたんですよ」
斉藤「自分無知で全然検討つかないんですが、どうやって作るんですかね?」
マスター「・・・・企業秘密にしとくかな」
斉藤「あっ、これはほんと聞いちゃダメなやつですね笑」
マスター「まあ、旅行先で食べたのもあるし、毎回家族で工夫してあーでもない、こーでもないって決めるから、思い出は詰まってるよ笑。その生き残りが今のメニューだね」
若女将「どのメニューも愛着がありすぎてこれ以上減らせないんですよ笑」
マスター「手が掛かるから減らすべって言うんだけど、なかなかねぇ」
野沢菜納豆豚焼きそば930円。野沢菜と納豆の組み合わせがなんとも食欲をそそります。
趣ある、心休まる空間で季節を感じる
なかまっこさんは昔、天童の東本町(天童駅の方)でお店をやられていたそうです。都合があって15年程前にちょっと奥に入った天童の若松に移転して現在に至ります。市街から離れているからこその雰囲気が魅力の一つです。
斉藤「自分初めて来たときも思ったんですけど、テーブルから外の庭を眺めていると、趣があるというか、すごく魅力的な空間ですよね」
マスター「寺巡りが好きなくらいですから、そういう雰囲気を出したいなと思いましてね。庭の古い建物なんかは他所から移築したんですよ」
斉藤「移築?運べるものなんですか?」
マスター「小さなやつは骨だけにしちゃうと意外と軽いんですよ、大人6人くらいでトラックに乗せてね。夜ひっそりと運びました笑」
斉藤「だからこんなに雰囲気のあるお庭なんですね」
若女将「夜はマスターの手作り照明でライトアップされるので、昼とは全然雰囲気が変わるんですよ」
斉藤「マスター、照明を作られるんですか?」
マスター「昔からそういうの作るのが趣味でね、店内の明かり物は私が作ったんです。大きいやつは展覧会とかに出すんですけど、小さなものはテーブルの照明として店で使っています」
他にも仕切りや棚など店内の多くの物をマスターが自作されているそうです。お昼の営業が終わった後の時間などを使って息抜きしながら作ってます笑、と楽しそうに答えてくださいました。
マスターの自作照明がテーブル一つ一つを照らしています。
マスター「期間限定の季節のメニューなんてのもありましてね」
若女将「今だとハロウィンのかぼちゃの形をした、かぼちゃのお好み焼がありますし、もうすぐ牡蠣とホタテのお好み焼なども始まります」※取材日は秋でした
女将「毎年1月と2月限定で干支のお好み焼というのもやるんですよ」
斉藤「どれも庭を見ながら季節を感じれそうなお好み焼ですね!」
女将「干支のお好み焼もそろそろどんな味にするか決めないといけないんだけど、なかなか難しくてね笑。見た目は毎年干支の形にするので大体決まってるんだけども」
斉藤「なるほど。家族会議で色んな意見が飛び交っているんでしょうね笑。干支の形なら子供はすごく喜びそうですよね。なかまっこさんは個室もあって、子供が遊べるおもちゃも置いてありますもんね」
若女将「土日なんかはお子様連れの方に個室をよく利用してもらってますね。個室があって子供を遊ばせて平気なお店は限られているみたいで。うちはお子さん大歓迎です笑」
マスター「土日はお客さんも多く来ていただけますし、メニューも種類が出ますから、パタパタしていますよ笑」
斉藤「そうなんですね。自分は平日しか来たことがなかったので」
若女将「平日は悲しいかな落ち着いちゃってます・・・笑」
斉藤「じゃあ、心休まる空間を満喫するには平日がおすすめということですね!平日に時間が取れる方は是非是非ですね」
若女将「色んな時間帯、いろんな季節のなかまっこを楽しんでいただきたいなと思います」
別の日は夜に伺ったのですが、マスターの手製の照明で昼とはまた雰囲気が変わります。庭には、春はウグイスの鳴き声と桜が望み、夏にはホタルに出会えます。秋の紅葉に冬は雪化粧とコタツ。様々な表情のなかまっこさんを楽しめますよ。
最初にお漬物かちょっとした季節物とお茶がいただけます。箸置の落花生は食後に食べて大丈夫なやつです。落花生をお土産で1つ持ち帰ると自分の子供はやたら喜んでくれます笑
創作お好み焼店なかまっこさんまとめ
油淋鶏(ユーリンチー)650円。中華ねぎダレかけーの、レモンをぎゅっとしぼりーの、パリッでジュワーでとりあえずビールもらってもいいですか笑?
OKONOMIYAN ROLL(オコノミヤン ロール)950円。タコつぶ貝のわさび漬けが乗って、彩り綺麗な創作海苔巻きお好み焼。
今回ご紹介したメニューの他にも人気No.1のチーズもちっこ焼や女性に人気のドリンクやデザートメニューがたくさんあります。小さなお子さんでも食べられるお好み焼あり、男性の胃袋にガツンとくる系、アルコールもありどんな方でも楽しめるお店です。
店名の由来は「みんなで仲良く、仲間っこ」。皆さんも心休まるお店でお好み焼を「なかまっこ」しながら癒されてみませんか?
※もちろんお一人様でも大歓迎です笑!
11:30~21:00ラストオーダー(火曜はお休み、平日は15:00~17:30までお昼休みになります)